[第14話]
ストーリーは永遠の時間の一部を切り取ったものなの!

あらすじ
幽霊コスをすると空を飛べるらしい。

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大きいお姉さんは、好きですか?僕は、程度によると思います。

僕は本編に直接出てこない物語の前後関係や設定を、あまり深く考えないのですが、
最近その重要性を少し考え直すようになっています。

当然ながら、主人公を始めとしたキャラクターには物語開始時点までの出自や歩みがあり、
物語終了後にどうなるのかという未来もあります。
それをきちんと考えずに物語を作り始めると、
作中のちょっとした台詞ややり取りが、
説明的だったり、不自然なものになってしまいがちです。



作品の序盤はキャラクターを動かしにくくて、中盤以降スムーズになってくる。
新エピソードの導入や、新キャラの登場時に説明的な文章や台詞になってしまう。
こんな経験はないでしょうか。



例えば、主人公と親友が会話をしている場面から始まり、
今日が主人公の誕生日だという情報を読者に伝えたいとしましょう。
以下の例をご覧ください。

<イマイチな例>
友「そういえば、お前今日誕生日だったよな」
主「ああ、そうだけど・・・・・・」
友「メシ食ってこうぜ。おごる」



いかがでしょうか?
まあ、書いてみたら思ったほど不自然にならなかったのですが、
敢えて難癖を付けると、誕生日というのを直接切り出してるのがイマイチですし、
親友という関係性が伝わりません。
別に主人公と親戚のおじさんの会話でも同じになりそうです。

<改善例>
友「おう、メシ食ってこうぜ」
主「いいね、おごりだろ?」
友「そういえば・・・・・・お前、誕生日か。仕方ねーな」



いかがでしょうか?
多少、二人の間に親しげな空気みたいのが出てきてないでしょうか?
二人は親友。主人公は自分の誕生日なので、何かしてもらいたいと思ってるはず。
この辺りを考えて再構成してみました。
また、誕生日から切り出すのはいかにもなので、メシという毎日の習慣的な行動からの切り出しに。

このように、物語の前後関係や設定を少し突き詰めて考えているかどうかで、
本編での台詞ややり取りが変化してきます。

キャラが最初は動かしにくくて、だんだんと動かしやすくなる、
というのは、実は僕がゲームを作っていてしょっちゅう感じていたことなのですが、
原因は設定を消化できずに作り始めてしまったことだと思っています。
例えば、ROMANCEのオープニングでの主人公と恋人アリアの会話は、
説明的過ぎてギャグのようです。

ROMANCEオープニング1 ROMANCEオープニング2 ROMANCEオープニング3

まあ、これは実際にはストーリー重視の作品でなかったこともあり、
説明台詞であることがわかりながら割り切った結果でもあるのですが・・・・・・
幼なじみで恋人である女性の顔を忘れているという主人公の状態が心配されます。

これの応用で、物語の始まりをどう切り出すか、というのもあります。



複雑な大事件が起こり主人公が巻き込まれていくような物語ですと、
説明用のテキストが膨大になりがちです。
しかし、主人公にとって意味不明でも、
それは主人公と無関係にあらかじめ発生していた事件なのです。



であれば、当初からの関係者たちをそれぞれの思惑に応じて動かさせ、
主人公はわからないままに巻き込まれていく、という導入は可能なはずです。
ことの顛末や詳細は、あとから徐々に明かされれば十分だと思います。

この辺りは拙作で言いますと、
ROMANCEとデュエリストでも恋がしたい!の比較がわかりやすいように思います。
ROMANCEは、一からくどくど説明を聞いていくパターンです。
デュエ恋は、とりあえず巻き込まれてから事情がわかる、というパターンを採用しています。



未プレイの方は、比較がてらプレイしていただけたら、と思います。
というステマ。

以上!


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